高速無線LAN情報局

SONYのAPをバラしてみました

IEEE802.11aの国内初の商品であるSONYのアクセスポイントをバラしてみることにしました。
基板は下の写真のようになっています。

PCWA-A500

まず目に付くのが、無線LANの最も重要なパーツであるMiniPCI TypeIIIのカード。写真では分かりませんが、裏面に大きく「SONY」とシルクが入れてあり、自社開発のカードみたいです。カードは、MiniPCI TypeIII Aというヤツで、一般的なサイズよりも1.2倍ほど縦に長くなっています。tdKやアルプス電気のカードはB型の小さいものです。
無線カード周りを見ますと、コネクタはAMP社製の6mmオフセットのMiniPCI TypeIIIコネクタで、アンテナとカードを結ぶハーネスのコネクタはHIROSEのものでした。また、ハーネス自体にはノイズカットのためか、小さなコア材が巻き付けられていました。

アンテナは、平面アンテナがふたつあり、それぞれ表裏対象に向くように取り付けられていました。
無線カード以外の大きなパーツでは、右上にあるCPUが目に付きます。東芝製のPCIコントローラ搭載RISCプロセッサTMPR3927BF(TX39シリーズ)が使われています。133MHzで動作します。東芝のTXシリーズは、TX39を終息方向に向かわせ、200MHzのTX49シリーズをメインにするとの噂がありましたが、I/OデータなどにもOEMで出しているSONYのような大型物件をゲットすれば、しばらくは製造や開発を続けることになるでしょう。

SONYのこのアクセスポイントには、長さ10cmを超えるCPU用の超大型ヒートシンクが取り付けられています。
CPUの他のICチップを見ますと、LANコントローラにはIntelの82559ERが使われています。割といいものを使っているようです。
SDRAMはMicronのMT48LC8M16A2-75(16MB,CL=3,PC133)の2枚使い。CKIOを二股に分けての等長配線が何となく気持ち悪かったりします。

基板の裏面は、FLASH ROMやこまごましたICが載っていました。余計なおせっかいかも知れませんが、チップ関係を表面に全て載せることはできなかったのでしょうか。

また、基板上にはテストパッドが山のように配置してあります。数個というレベルではありません。何十個とあります。開発者はいろいろなアナライザをこのテストパッドに押し当て、数々のテストと検証をしたのでしょう。おつかれさまです。

筐体に関していうと、プラスチック部分を取り外すと、鉄で覆われた無骨な感じになります。本体の重さの大きな割合を占めるのが、足の部分です。90度曲がって壁に取り付けられるようになっているすぐれものです。

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基板の設計ではそれほど目を見張るものはありませんでしたが、筐体の作りのよさにひたすら感心してしまいました。特注のヒートシンク、ものすごい数のネジ止め、重量感のある土台...。この作りで5万円を切る価格には、正直びっくりしてしまいます。OEM品を含めた量産効果というヤツなのでしょうか。SONYはデザインも凝ってますし、これで性能がよければ迷わず買いなのですが...
肝心の性能はといいますと、状態がいいときで13~14Mbps程度。最近リリースされた機器に比べると、若干の見劣りがします。ファームのアップデート等でさらに速くなる可能性は十分にありますけど。ただ、購入した時点でファームが1.3.00。4か月たった現在の最新が1.3.10。大して上がってませんし、特にどこが変わったか分かりませんでした。この調子なら、あまり期待できないような気がしないでもありません。
あと、ルータ機能がないのも、最近の無線LANアクセスポイントとしては痛い点でしょう。
この筐体のデザイン...宝の持ちぐされっぽい感じがしてなりません。

(2002.09.25)