高速無線LAN情報局

無線LAN機器の認証番号(TELEC番号)について

▼いわゆるTELECとは

日頃、私たちが使っている無線LANは、電波法において厳しく管理されています。各個人が勝手に電波をむちゃくちゃにして使うと、国内のあちこちで混乱が起きてしまうからです。電波は、無線LANだけではなく、テレビ、ラジオ、携帯電話などに使われています。これが使えなくなっては社会が成り立ちません。無線LANだけでなく、携帯電話も電波法で管理されています。

日本国内で合法的に発売されている全ての無線LAN機器は、電波法で定めた技術基準を満たしたものです。国が定めた登録証明機関に試験をしてもらい、合格した場合に限り、認証番号(証明番号)を貰い、それを無線LAN機器に表示します。その認証番号を貼って初めて、日本で販売できるのです。
ですから、ときどき秋葉原や大阪の日本橋などのパソコンショップで、日本の無線認証を受けていないアメリカ直輸入の無線LANが販売されていますが、電波法違反の使用を前提にした販売は問題です。見かけたら、店員にどういうつもりか訊いてみるのも面白いでしょう。

この特定無線設備(無線LANや携帯電話などの電波通信機器)の基準認証制度のことを、俗にTELECといいます。昔、登録証明機関が財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)のみであったことからそう呼ばれています。認証番号(証明番号)はTELEC番号などと呼ばれます。

無線認証には、大まかに分けて、技術基準適合証明(技適)と工事設計認証(認証)の2種類があります。
技適は、登録認定機関にアクセスポイントや無線カードなどの無線機器を持ち込み、抜き取りで試験をし、抜き取りの対象であったものに対してのみ認証番号を与えるものです。台湾から1st LOTのみでまとめて買ってくる企業さんなどが取る試験です。
それに対し、工事設計書という無線機器の定格出力や接続するアンテナ(空中線という)から、無線機器の設計に対して認証番号を与えるものが認証です。試験ももちろん行います。無線機器の設計に対しての認証なので、無線機器は技適と違っていつのLOTでも問題ありません。

WLI-CB-G54の認証ラベル

上の写真は、おそらく日本で一番売れているBuffaloの11g対応カードWLI-CB-G54の裏面に貼ってあるラベルです。このラベルの中で、赤の矩形で囲った部分が無線認証の番号を表記した部分です。郵便マークは、電波法や電気通信事業法に基づく技術認証をクリアした機器に付けられるマークで、四角に囲まれたRは電波法関連の認証であることを示します。その後の英数字が製品固有の番号です。この番号については、後ほど説明します。ちなみに、上の写真の番号は、昔に発番された古いもので、現在は番号体系が変わっています。

このマークと番号は、みなさんがお持ちの無線LAN製品にも必ず入っているはずです。アクセスポイントなどの場合は、筐体内部にある無線モジュールで認証を取得している場合があるので、分解しないと見られないかも知れません。CardBusの無線カードが一番確認しやすいでしょう。

▼登録証明機関について

これまで、登録証明機関といえば、TELECだけでした。TELECは公的な財団法人であり、総務省関係の役人が多く天下りするところです。元お役人やほとんど役人みたいな人が多いだけあり、融通があまり利かなかったり、一度いったことを絶対に曲げないなど何かと頑固で、無線認証を取得しようとする企業担当者を泣かせたことも数多いとか。噂によると、携帯電話会社や無線LAN関連の大企業などはビール券や菓子折などを持参することが当たり前のようです。実際にそうであるならば、公的機関の人が贈り物を受け取るというのはどういうことなんでしょうか。

ところが、2002年に電波法が改正され、総務省が認めた民間の登録証明機関でも認証が受けられるようになりました。これにより、多くの企業が民間の登録証明機関へ申請するようになりました。民間の機関の方が融通が利き、価格も安く、なにより認証までの期間がTELECに比べて非常に短いからです。新たに無線認証を受けようと考えている企業は、迷わず民間の認定機関を利用するようにした方がいいと思われます。

ちなみに、工事設計認証を新規で取る場合、TELECでは51万円、民間機関で47~50万円前後かかります。これは特定無線設備の種別(5GHz、2.4GHzの1~13ch、2.4GHzの14ch)ごとにかかるので、11a/g対応で11bの14chをサポートした無線LANカード(複合無線設備)では、3つの認証が必要なので150万円前後かかることになります。
既に認証を取得した無線機器に対する変更(OEMでよく用いられる)は、民間機関で8~9万円です。

国内の登録証明機関は、2007年8月現在で公的な機関が2つ、民間の機関が7つです。また、海外にも2つあります。
登録証明機関を以下に紹介します。(登録順)

TELEC以外の民間の証明機関はどれも同じようなものでしょう。ただし、アマチュア無線振興協会では、無線LANの認証は行っていません。
認証については、どこに依頼しても大して変わらないと思われます。民間では、一番早く始めたDSPリサーチが多く依頼を請け負っているようです。テュフ・ラインランド・ジャパンはドイツの認定機関の日本法人です。ケミトックスはいまいちよく分かりません。アールエフ・テクノロジーとユーエルエーペックス、コスモス・コーポレイションは、国内でCEもしくはFCCの取得もできる認定機関、代行申請機関です。
もし申請を行うのであれば、近くに試験場があるとか、営業担当が近くにいるという理由で決めればいいでしょう。
ちなみに、無線LANを一番多く出荷するBuffaloは、DSPリサーチを利用して認証を受けることが多いようです。

▼ TELEC番号の秘密

TELEC番号は電波法もしくは総務大臣が定める規則に基づいて番号が振られているため、その番号で無線機器のことが少しだけですが分かるようになっています。下にTELEC番号の表示例を示します。(例は認証の場合のもの)

認証番号の例

一番左にある郵便マークは俗にTELECマークなどといわれるものです。円の部分の直径を5mm以上にしなければならないとか決まっています。次にあるRは、電波法関係の番号の頭に付けられるマークです。Tというマークもありますが、Tは電気通信事業法関係です。

さて、問題の番号を順に説明します。最初の3桁の数字は指定証明機関を表しています。例にある001はTELECを示しています。

番号証明機関名証明・認証業務
001財団法人テレコムエンジニアリングセンター全ての特定無線設備
002財団法人日本アマチュア無線振興協会アマチュア無線設備のみ
003株式会社ディーエスピーリサーチ免許不要局に係る特定無線設備
004株式会社ケミトックス免許不要局に係る特定無線設備
005テュフ・ラインランド・ジャパン株式会社全ての特定無線設備
006株式会社アールエフ・テクノロジー免許不要局に係る特定無線設備
007株式会社ユーエルエーペックス免許不要局に係る特定無線設備
008株式会社コスモス・コーポレイション免許不要局に係る特定無線設備
009SGSジャパン株式会社免許不要局に係る特定無線設備
201TELEFICATION B.V.全ての特定無線設備
202CETECOM ICT Service GmbH全ての特定無線設備

次にある2文字のアルファベット記号は、特定無線設備(無線LAN機器)の種類を表しています。無線LANの場合では、2.4GHzの1~13ch(2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム)、2.4GHzの14ch(2.4GHz帯小電力データ通信システム)、5GHzの34~46ch(5GHz帯小電力データ通信システム)の3種類があります。

記号特定無線設備の種別
NY証明規則第2条19号に掲げる無線設備
GZ証明規則第2条19号の2に掲げる無線設備
WY証明規則第2条19号の3に掲げる無線設備

ここでいう証明規則は、電波法第二条十二の三で"「証明規則」とは、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則をいう。"と定められています。「第2条19号に掲げる無線設備」は2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム、「第2条19号の2に掲げる無線設備」は2.4GHz帯小電力データ通信システム、「第2条19号の3に掲げる無線設備」は5GHz帯小電力データ通信システムを指しています。

ちなみに、2.4GHz帯がふたつに分けられていますが、これは、昔の日本の無線LANは14chしか認められていなかったことに起因するものです。後に14chとは若干異なる高度化されたシステムとして1ch~13chも追加されました。

さて、次の2文字のアルファベット記号は、証明機関が決める記号で、どのようになるかは分かりません。聞いた話によると、無線LANが電話回線網に繋がるか繋がらないか等で種類分けしているようです。

最後が製品固有の番号です。認証は4桁、技適は7桁の数字です。認証の場合、認証機関が1から順に番号を付けていくようです。

▼ TELEC番号を調べる

TELEC番号は、証明機関のホームページ上から調べることができます。例えば、上の方で例として示したBuffaloのWLI-CB-G54のTELEC番号ですが、認証番号を取得した株式会社ディーエスピーリサーチのサイトで調べると、2003年1月26日に取得したことが分かります。

認証番号で調べる以外にも、日付や会社名で検索できるので、全てをウォッチすることで、新機種を先取りして知ることができちゃったりします。あちこち見てると意外なことが分かったりして面白いかも知れません。

例えば、AtermWL54TEとAtermWL5400APというNECの人気商品はAskey Computer Corporationという台湾のネットワーク機器製造会社名義でTELEC番号が取得されています。NECアクセステクニカじゃなかったんですね。ちなみに、Askeyという会社は証明機関の至るところで見かけます。日本企業にOEMしまくってるんでしょうか。

このように、しょうもないことを想像するだけになりますが、暇つぶしにはなるのではないでしょうか。興味のある方は一度調べて見てはいかがでしょうか。

(2004.06.12 / 2007.8.11改訂)