ニュース (2006年)
情報通信審議会、高速無線LANに対する意見募集 [2006.11.16]
情報通信審議会の情報通信技術分科会5GHz帯無線アクセスシステム委員会が取り纏めを行っていた高速無線LANに関する資料に対しての意見募集を総務省が行っている。
資料は「高速無線LANの技術的条件案」と「参考資料」に分かれ、100ページ超にわたってダラダラと書かれたくだらない資料に対して意見のある人は、総務省に意見をどうぞ。12月8日まで募集している。
なお、参考資料に書かれているIEEE802.11nの解説と、Impressの無線専門サイトであるWBB FORUMに掲載されたAtheros日本法人の大澤社長の解説とが告示しているが、これは偶然の一致であろうか。
→ 【総務省報道資料】参考資料
→ 【WBB FORUM】IEEE802.11n標準化動向レポート
また、108ページ目にある2.4GHz帯についてもフランスとスペインが別チャネルであるかのように書かれているが、EU加盟国はCEで定めたの無線LAN技術基準を満たすよう勧告が出て、フランスやスペインでも他のEU加盟国と同様に使用できるような気がするが...一体、何年前の資料を引用しているのだろうか。
その他、つっこみどころ満載。
こんなしょうもない資料のために我が国の税金が使われているのかと思うと情けなくなってしまう。
Broadcomの無線LANドライバに脆弱性 [2006.11.14]
Linksys製ノートPC用無線LAN「Linksys WPC300N」のドライバおよびBroadcomの標準ドライバに脆弱性が発見された。
WPC300Nでドライバのバージョンが4.100.15.5以前のものを使用している場合、リモート攻撃を受ける可能性がある。ただし4.100.15.5以降に更新すれば問題が解決する。
最新ドライバはLinksysのサイトで配布中。
5GHz帯新規解放に向け総務省が意見を募集 [2006.10.11]
2007年初旬に世界無線通信会議(WRC-03)での決議に基づき、日本でも5.47〜5.725GHz帯(ミドルバンド)の帯域が無線LANで使用可能となる予定で、総務省は同周波数帯の無線LANへの導入にむけ、法整備の準備を進めている。
その過程で、電波監理諮問議会が5GHz帯ミドルバンドを無線LANで使用するための「電波法施行規則」、「無線設備規則」、「特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則」等の改正案を定め、総務省がそれに対する意見を募集している。改正案の概要は次の通り。
- 欧州で解放されている5.47〜5.725GHz帯を新規解放。100〜140チャネルの11チャネルが対象。
- 新規解放の11チャネルでは屋外使用可能。ただし、DFSとTPCの機能は必須。ただし、EIRPが25mW/MHz以下であればTPCは不要。
- 現状ではEIRPの上限が10mW/MHzであったが、新規解放の11チャネルでは上限を50mW/MHzとする。
- DFSについて現状以上に細かい条件を設定。欧州や米国の基準に合わせている。
11月14日まで募集している。意見のある人はどうぞ。
Wi-Fi Alliance、11n接続テストを2007年に開始 [2006.8.30]
Wi-Fi Allianceは8月29日、IEEE802.11n製品に関するWi-Fi接続テストを2007年より2段階方式で実施すると発表した。第1段階である「第1フェイズ」開始を2007年前半に開始する。
Wi-Fiは次世代無線LANでも活躍しようと躍起だが、現状の11a/g無線LANでチップの相性によって接続できないことは殆ど起きておらず、無線LAN製品にWi-Fiがなくとも何も問題はなさそうである。
だが、ニンテンドーDSなどで使用されるように、Wi-Fiが無線LANの代名詞となりつつあるので、11nになっても各メーカはこぞってWi-Fiの認定試験を受けることになると予想される。
Centrinoドライバに脆弱性 [2006.8.4]
IntelのCentrinoに脆弱性があることが明らかになった。Centrinoで使用している無線LANモジュールのドライバに問題があり、Intelが支給したドライバを使用しているPCが第三者にシステム権限で操作される可能性がある。IntelのドライバはPCメーカで多少の違い変更しているところもあるが、今回の脆弱性に関わる根本の部分は全てのPCで同じであるため、基本的には全てのCentrino PCが対象となる。
Intelはその脆弱性を解決するパッチを公表し、Centrinoの無線LAN機能を使用しているユーザにパッチを適用するよう推奨した。
Intelが発表したセキュリティ勧告によると、「Intel PRO/Wireless Network Connection」シリーズの2200BG、2915ABG、2100、3945ABG、すなわち全製品に影響する脆弱性であるとしている。
また、SONYや富士通などの一部ノートPCメーカはIntelのドライバをβ版としてホームページに掲載した。
FCC認証にDFSとTPCが必要に [2006.7.20]
アメリカの連邦通信委員会(FCC)は6月30日、5.25 〜 5.35GHzおよび5.47 〜 5.725GHz帯での無線通信において、EU諸国や日本などで使用されているDFSおよびTPCを要求事項とし、FCC認証の取得の際にFCCが定めた試験を義務づけた。7月20日以降に申請される機器に適用される。
FCCが公表した「FCC 06-09」の文書には、DFSの試験方法などの詳細が記載されている。
AtherosとBroadcomが11nで相互接続性を実証 [2006.6.1]
米Atherosと米Broadcomは、5月31日にIEEE802.11nのドラフトに準拠した無線LANチップセットの相互接続性を実証したと発表した。
発表によると、AtherosのXSPANとBroadcomのIntensi-fiのチップセット同士において、双方向で100Mbps以上の通信速度を達成できたとか。
中国、ISOでのWAPI却下にブチ切れ [2006.5.31]
中国が制定し、中国国内でのみ使用されているWAPIに関し、中国のWAPI推進団体が米国の団体であるIEEEが妨害工作を行って国際標準化機構(ISO)で却下させたと猛烈に抗議している。
その団体によると、「IEEEのWAPIに対する共謀、中国への侮辱、脅迫などの非倫理的行為を行い、あらゆる手を尽くしてWAPIを粉砕しようとしている」とのこと。
ISOは3月の会合において、無線LANにおける標準暗号化規格として、IEEE802.11i (WPA2)を採用、中国が推すWAPIを却下した。IEEE802.11iはISOメンバーから89%の指示が得られたが、WAPIは32%しか指示が得られなかった。
ISOの決定は至極当然のもので、オープンソースであるIEEE802.11iは最近の多くの無線LANで採用され、デファクトスタンダードである。ISOで無線LAN暗号化の国際標準として採択されるのにふさわしい。それに対しWAPIは、中国政府が加担して制定された暗号規格で、ソースは中国政府と契約した会社にしか与えず、かつ国外持ち出し不可となっている。ソース非公開の暗号など、安全性が確保されない上、バックドアなどの危険性をはらむ。ISOの会合で見せられないようなものが標準化として採択されるわけがない。
なお、WAPIは現在、約20の会社にライセンスが与えられているが、2年前の紛糾でIntelやBroadcomなどと揉めたこともあり、強制規格ではない。無線LAN機器でCCC認証を受ける際には必要となるが、無線LAN機器はCCC認証の対象外であるため、WAPIの機能を持つ無線LAN機器は、中国当局などで使用されるものが多い。
中国およびWAPI推進団体はIEEEの陰謀と憤慨するが、それは筋違いの話であり、WAPIこそ無線LANの暗号にふさわしい規格であるとの考えは、中国の中華思想的な独善に他ならない。
Airgoカンファレンス開催 [2006.5.25]
米Airgoの日本法人、Airgo Networksは5月25日、同社のMIMO技術に関するプレスカンファレンスを開催した。
そのカンファレンスで、AirgoはMIMO技術を牽引する同社がIEEE802.11n規格の制定で大きく役に立っていることをアピールした。
また、11nのドラフト1.0についての制定遅延についても説明。Airgoが早期での11nチップをリリースしないことを重ねて強調し、早くても2006年秋以降になると説明した。
11nドラフト1.0否決についてAirgoがコメント [2006.5.8]
米Airgo Networksは、IEEE802.11n規格のドラフト1.0の採決が作業部会において否決されたと発表した。Airgoによると、採択には75%以上の賛成が必要であったが、46%しか賛成が得られなかったという。
Airgo曰く、「ドラフト1.0は相当変更するよう望まれている」とのこと。
また、Airgoはドラフト1.0が既存製品との相互運用性に乏しいとし、安定したドラフトが制定されるまで、同社では11n製品をリリースしないことを明らかにした。
ドラフト版11nの購入はさけるべきとの報告 [2006.4.25]
米eWEEKが4月24日にアメリカで発売されたLinksysのドラフト版11nのテストレポートを掲載。それによると、ドラフト版11nを購入するのはやめておいた方がよさそう。
eWEEKの記事は、BroadcomのIntensi-fiチップセットを使用したWRT300N(無線ルータ)とWPC300N(CardBus)のテストレポートで、概要は次の通り。
- Intensi-fiは5GHzサポートのチップセットとされているが、コストダウンのため、第1世代のチップセット(今回のチップセット)では5GHzをサポートしていない。
- バンド幅は20MHzか40MHzに切り替え可能。(11gしか使えないのに40MHzのバンド幅に対応)
- このドラフト版11n製品は使用環境にシビアで、eWEEKのサンフランシスコの事務所ではスループット40Mbpsを超えることがなかった。
- Linksysのドラフト版11n製品が既存の11g製品と干渉し、性能が著しく低下することが分かった。(40MHzのバンド幅で使えば、干渉しまくりなのは当たり前)
- 11n製品をリリースする会社から、ドラフト版11nが正式版11nへファームウェアなどのアップグレードにて対応できることの確証を得ることはできなかった。
- 11nの仕様が不確実なため、法人向けメーカは規格が正式決定するまで製品のリリースを待っている。法人顧客もコンシューマ機の11n製品を使用せず、同様にすべきである。
- 実機テストでは、Linksysのドラフト版11n製品は、スループットや通信距離でAirgoの第3世代True MIMO製品に負けており、Airgoチップの製品の方がそれらの比較では優れていた。
何ともさんざんな結果。日本でも同じようにすべきでしょう。また、正式版の11nがリリースされたとしても、これまでのAtherosチップなどの経緯を見ると、第1世代は避けるべきだというのが筆者の感想。
11n製品は2007年第2四半期には登場すると見られているが、実際に導入するのはそのもっと先にすべきではなかろうか。
IEEE802.11nの解説 [2006.4.3]
PC Watch連載の「元麻布春男の週刊PCホットライン」で標準化作業の進むIEEE802.11nについて簡単な解説と、オプションが増えた理由について述べられている。
なお、最後の方で述べられている「40MHzチャンネル」というのは、バンド幅が40MHzのチャネルのことで、FCC(アメリカの規格)などではUpper Bandと呼ばれる149, 153, 157, 161, 165chで40MHz幅のオプション通信(Atherosのターボモードなど)が利用できる。
ちなみに、無線LANのチャネルは1chで5MHz離れており、例えば36chと40chでは、間が20MHz離れている。このとき、バンド幅が20MHzの波形であれば、36chと40chの周波数のとき、互いが重なり合わず、干渉なしで使用することができる。
IEEE802.11aの規格ではIEEE802.11b/gの欠点である波形の重なりによる干渉を避けるため4chずつチャネルを離したのだが、バンド幅40MHzの送受信が既存のチャネルで行われると、干渉だらけになってしまうというデメリットが発生することが考えられる。
既存チャネルのバンド幅40MHz解放は難しい。あり得るとしたら、国際的にUpper Bandでの使用を認め、そのUpper Bandの解放を日本でも行うというものになるのではないだろうか。
カナダの大学が無線LANはカラダに悪いと使用を制限 [2006.2.24]
カナダのレイクヘッド大学というごく小さな大学のの学長が、電磁波の健康に及ぼす影響を懸念し、大学内の無線LANの使用を制限した。
無線LANなどで使用する電波は電磁波であり、人体に少なからず影響を及ぼすと考えられているが、使用を制限するほどのものではない。携帯電話など言うに及ばず、いかなる電子機器も多少なりとも電磁波を発している。無線LANの使用を制限したこの学長は、自身が持つ生物学と動物学の知識から自分の勝手な思いこみで行動に及んだと見られるが、そこまで心配するのであれば、学生の携帯電話や、学食での電子レンジの使用、学内でのPCなど電機製品の使用など、全て制限すべきであろう。
Atherosの11nドラフトチップ、サンプル出荷開始 [2006.2.16]
米Atheros CommunicationsはIEEE802.11nのドラフトに準拠した無線LANソリューション「XSPAN」と、そのチップセットであるAR5008を国内向けにサンプル出荷を開始したと発表した。
XSPANはバンド幅40MHzのとき、物理層レベルで300Mbps、実行速度で150Mbpsを見込めるという。日本の電波法ではバンド幅が20MHzとなっているため、通信速度はそれぞれ40MHzのときの半分程度になるもよう。
MIMO技術を用いたIEEE802.11nの製品については、これまでAirgoが先行してチップをリリースしてディファクトスタンダードを狙っていたが、完全に当てが外れた格好だ。
なお、11nドラフトチップを用いた製品は、遅くとも6月頃までに市場に投入されると予想されている。
IEEE802.11nドラフト準拠の新チップセット [2006.1.24]
米Atheros Communicationsは23日、IEEE802.11nドラフト版に準拠した無線LANチップセットAR5008を発表した。AR5008はMAC/BBチップにAR5416(PCI)またはAR5418(PCI Express)を使用し、RFチップにAR5133(5/2.4GHz対応)またはAR2133(2.4GHz対応)を使用する2チップ構成の無線チップセット。アンテナは送信3、受信3の3×3構成。実測で130Mbps程度を出せるとされている。
既にエンジニアリングサンプルを出荷中。
またBroadcomは19日に11nドラフト版準拠の無線LANチップセットファミリIntensi-fiを発表。MAC/BBチップのBCM4321と5/2.4GHz対応のRFチップBCM2055の2チップ構成。
こちらも、既にエンジニアリングサンプルおよびリファレンスデザインを出荷中。
11nドラフト版がIEEEで採択される [2006.1.20]
IEEEの会合でようやくIEEE802.11nのドラフトが採用された。満場一致での採択。EWCで中心的な役割を果たしている米Atherosが発表した。
早くとも年内中には11nドラフトに準拠した製品が登場すると見込まれている。
WindowsのWi-Fi接続に脆弱性と研究者が警告 [2006.1.17]
セキュリティ研究家がWindowsのWireless Zero Configを使った無線接続について脆弱性があると指摘した。
内容によると、Wireless Zero Configの無線接続の手順に問題があるとのこと。何でも、Wireless Zero Configは起動後にインフラストラクチャモードでアクセスポイントを探し、接続可能なアクセスポイントがなければ、Windowsはアドホックモードで接続を試みようとする。このとき、クラッカーがアドホックモードの無線機器を搭載したPCを用意していたとき、そのPCに接続されてしまう。その後は何でもされてしまう可能性があるとか。
ただ、Windows XPにSP2を当ててファイアウォールを使用することで回避可能とのこと。
ちなみに、日本では11aを使用しているとき、電波法上の制限により一部無線機器(W52アップデートを行った無線クライアント)のJ52チャネルとW53チャネルではアドホックモードがパッシブスキャン(自分からビーコンを出さない)となっているため、その限りではない。
11n統合案、40対0で可決 [2006.1.13]
当初の予定よりも遅れていた11n規格の標準化で、AtherosやIntelが参加するEWCの提案が提出されることになった。
これまで対立しあっていたグループ内のメンバーらによってEWCの案に関する賛否の投票が行われ、賛成40、反対0、棄権2という結果であった。
棄権した2社は明らかにされなかったものの、これまで頑なに反対してきたAirgoが賛成に回ったことは注目に値する。
翌週にハワイで行われるIEEEの会合によって、ドラフトとして採択されるかが決定する。
NEDOが横浜で無線LAN関連技術の公開実証実験を実施 [2006.1.12]
独立行政法人の新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)が1月12日に横浜市にて無線LAN関連技術の公開実証実験を実施した。無線LANの普及と無線LANビジネス拡大へ繋げようと、NEDO、JEITA、NEC、富士通、日立が行っている「無線LANスポット開発プロジェクト」の一環。
ユーザの位置情報などをPDAに情報提供するシステムや無線LANと3G携帯ネットワークとのハンドオーバー技術などが展示され、事前募集に応募したユーザが体験した。
停滞していた11n標準化作業が一歩前進へ [2006.1.12]
IntelやAtherosが主導するグループとAirgoが主導するグループの対立により、昨年から数か月に渡り停滞していた11nタスクグループの標準化策定作業が再開される見通しだと関係者が明らかにした。
CNET Japanの記事によると、IntelやAtheros、Boardcomといった主要な無線LANチップベンダで構成される業界団体EWCがIEEE802.11n制定への歩み寄りを見せたとあるが、元々EWCは11nの制定を少しでも早めるために設立された団体であり、当然の結末でもある。
記事では、ディファクトの標準化を進めようとするIntelが悪の親玉のように、あくまでもIEEEでの標準化を求めるAirgoがよい会社のように書かれているように見えるが、かなり偏った見方によるものであろう。AirgoがMIMOチップを先にリリースし、11n策定の主導権を握ろうとしていたことを忘れてはならない。
Broadcomがビデオ電話用チップセットを出荷開始 [2006.1.10]
米BroadcomがWi-Fi対応の無線LANビデオ電話用チップセットを発表した。既に出荷が開始されているこのチップセットは、モバイルVoIPプロセッサBCM1161、IEEE802.11g準拠の1チップ無線チップBCM4318E、マルチメディアプロセッサBCM2702で構成されており、VoIPやビデオ、Wi-Fiに関するソフトウェアがパッケージ化されているとのこと。